2012年6月9日土曜日

ガラスモザイク


 洗面室にガラスモザイクをお使いのおうちを、今までに数件、拝見させていただきました。壁紙を貼った居室とは全く違う、何とも言えない異空間です。
 マンション購入時の水回りリフォーム時、ホテルのような洗面室にしたいと思いつつ、結局は予算の都合上、塩化ビニールの壁紙と既製品の洗面台(それも上級ではなくノーマルクラス)にしてしまい、あ-やっぱりこんな物かと思っておりました。120cmの洗面台は左右にゆとりがあり、鏡も生活観丸出しの3面鏡ではなく1枚の大鏡にしたのですが、やはり既製品は既製品。入口に洗濯機が丸見えで、ホテルのような洗面室には程遠い物でした。
家具を1つずつ揃えていた初めのうちは、玄関や廊下、洗面室等は、はっきり言ってどうでも良いと思っていて、とにかくリビングと寝室の家具が揃ったら、壁紙を貼り替えて・・くらいのつもりでした。

 ところが、完成した皆様のおうちを見せていただくと、とにかく全てが完璧で、お邪魔しますと玄関ドアを開けた瞬間から別世界。何件も素晴らしいおうちを見せていただくうちに、リビングや寝室だけじゃダメなんだということに気づき、ここまでやらなくちゃならないのか、できるかしらと弱気になったこともありました。
 古い造りの我が家は、トイレとお風呂が狭小な割りに、何故か洗面室は広め設計です。今回、入口で丸見えの洗濯機と奥にある洗面台を入れ替え、ユニットバスの入口から洗濯機までをカーテンで隠してしまうことにしました。コマチ家具のリフォームでは、既製品の洗面台は推奨していません。造作の洗面台を作り、輸入品の洗面ボウルと蛇口、天板は大理石が基本です。壁は、紙クロスを貼る場合は洗面台の少し上まで腰板を入れて、水が直接紙クロスに撥ねないように施工してくれます。リビング等でお金がかかってしまい、洗面室にまで紙クロスは無理だわ-ということになったら、塩化ビニールの壁紙でもちゃんと選んでステキにしてくれます。もちろん、もっと予算的に厳しくて、洗面台も替えられないけど、壁紙だけでも・・という要望にも対応してくれます。やはりどんなお宅でも、優先順位を考えると、洗面室は最後になりますよね。でも、でも。

 私はどうしても、今までに見せていただいたガラスモザイクの洗面室が頭から離れなかったのです。
写真ではわかりにくいのですが、照明の当たり具合でガラスタイルが微妙に色変わりして、本当に美しく、いつまでも居たくなる空間です。
 リフォームの暁には、洗面室は絶対、ガラスモザイクにするっ!!と何度宣言してきたかわかりません。
ゴールデンプランを描いていただいた当時は、ガラスモザイクは本当に値段が高くて、我が家の広めの洗面室では、かなりの費用がかかるとのことでした。

 もっと狭かったら良かったのに、と本気で思ったこともありました。ところが、リーマンショック後の長引く不景気で、だんだん値段が下がってきたのです。今回も一度は予算が回らないかと諦めて、「なんちゃってモザイク」の塩化ビニール製壁紙に決めたのですが、最終的に壁紙を貼るのとそれほどの差が出ないことがわかり、それならばと念願のモザイクタイルを貼ることにしました。
 以前見せていただいたおうちの中で、焦げ茶のタイルを使った洗面室が印象的で、何となく茶色が良いかなと思っていました。少々重苦しくて暗い気もしますが、そのお宅の金色のシェードから漏れる灯りが焦げ茶のガラスモザイクを何とも言えない色に見せてくれたのが、今でも忘れられません。

 ところが、コマチ家具で見本を見せていただいたところ、焦げ茶のタイルに刷毛目のような金がかなりかかっていました。あれ、こんなに金の分量が多かったかしらと記憶を辿っていたところ、淳子さんがメーカーのショールームに確認しに行ってくださって、私の憧れの焦げ茶のタイルはもうないことがわかりました。輸入品は何でも、国内量産品と違って、同じ品番でも微妙に色が違ったり、突然廃番になっていたりしますので、以前使って良かったから、という思い込みは禁物なのです。

 ショールームで発見された、淳子さんからの新しいモザイクタイルの提案は、なんと「緑」。
 「みどりぃ-??」と叫んでしまったくらい、予想外の展開です。見本を見せていただき、事前説明通りの翡翠色ですが、1cm強×1cm強のタイル10粒くらいのサンプルでは、これが貼られたらどうなるのか、私の凡人頭ではよくわかりません。でも、床=白、天板=白、洗面ボウル=白、カーテンも白(予定)、そして壁と天井に翡翠色のモザイクタイル、蛇口や引出し金具、照明が金の予定です。
 んー、それもいいかなぁー。

「だって、廊下が茶色でしょ、茶色から茶色だと、真っ暗暗になっちゃうでしょ。」

 あ-そうでした、廊下茶色にしたの忘れてました。
ま、よくわかんないけど、淳子さんの「絶対ステキになる」という言葉に裏切られたことはないので、ここは提案どおりに決定です。