2012年6月28日木曜日

2週間目♪

月曜日、帰宅したらリビングドアの位置が変わっていました。土曜日に大工のUさんにお目にかかった時、新しいドア枠を造るために、リビング内に仮壁と仮ドアを設置しますと、そういえば言われていました。リビング内に30cmほど剥き出し板で仮壁が張り出し、今までのドアが何もなかったかのように付いています。大工さんって何でもできるんだなと改めて尊敬。どこかへ仮住まいできていれば、こんなお手間をかけることもなかったのに、申し訳ないです。
今までのリビングドアは、幅85cmくらい。幅としてはそこそこあったのですが、梁があるため高さは180cmしか取れませんでした。今回は梁まで目一杯高さを上げ(ちょっとしか上がりませんけど)、併せて120cm弱まで広がる廊下に合わせて、親子ドアにすることになっています。
水曜日には、古いリビングドア枠とドア横の袖壁が撤去され、同じくドアを引き戸に作り替える洗面室のドア枠と袖壁も撤去されておりました。広い!ひろ-い!!フルオープンになって丸見えの洗面室に、ポツンと洗濯機が残置され、無理やり電気と水道に繋いでいただき、配水ホースも穴に刺さっており、使えるようにしていただいています。感謝。

またこの日ついに、トイレが拡張されました。元が狭い上に天井も低く、広げても今時のマンションには遠く及びませんが、何しろ今までありえない狭さだったので、かなり嬉しい-(^^)♪便器の足元側の壁には、浅い物入れ棚の上に小さい手洗いが来るので、出来上がりの床面積は以前とあまり変わらないかもしれませんが、手洗い台の上は抜けますので、広く感じるはずです。こっちに鏡、こっちにブラケットが来るんだなぁ-と、まだ木の香りがする埃だらけの空間をしげしげ眺めました。剥き出しだった床にも板が貼られ、廊下の床の高さとおなじになっています。床は、なるべく見切りを入れず、通しでフローリングを貼っていただくようお願いしてあります。できるのかぁ?
玄関ドア脇で剥き出しになっていた分電盤が、トイレの壁ができたことで、ようやく収まりました。玄関脇の物入れを、分電盤が入るぎりぎりの奥行きを残して圧縮し、トイレを拡張したのです。分電盤さえ開けて見えるようにできれば良いと思いましたが、その下のスペースに、長い傘か、スリッパくらいは入れられそうです。

寝室と納戸の間の壁も、かなり出来上がり、部屋らしくなってきました。複雑な斜めの壁も、図面通りです。板壁が出来上がったら、その上に、石膏ボードを貼っていきます。
そしてついに、2週目の最終工事日である土曜日、寝室の奥壁に床が貼られました・・・1列だけですが。床貼りは、かなり時間がかかると聞いております。恐らく3週目は床貼りだけで終わるのでしょうが、床ができたら、かなりイメージが変わると思います。楽しみです♪

2012年6月24日日曜日

照明について(その2)

さて我が家ですが、現在のLDには2カ所、隣接の和室に1カ所、寝室にも1カ所、メインの天井照明が付けられます。ダイニングの照明はアールデコの大きめの4灯、リビングには8灯のキャンドルシャンデリア、寝室にはガス・エレクトリックの4灯を付けます。ガス・エレクトリックというのは、電気が普及し始めた頃、それまでガス灯だった照明の一部が電気になり、4灯のうち2灯がガス灯、2灯が電灯という造りだったものです。もちろん、今は中に配線して全部電灯になっています。ガス灯は炎が出たためでしょうか、シェードが上向きで大きく、電灯は下向きで小さめです。電気が普及し始めた頃ということは、1800年代の品ということになり、古くて希少なため、お値段は少々張りましたが、大変美しい照明です。これを買った時には、まだ和室を潰すのか残すのか決めかねており、これなら和室にもおかしくないと思ったのですが、結局、寝室で使うことにしました。

他に、サイドボードに載せる小ランプは、家具を買った時に一緒に購入済でしたし、テーブルランプ・ブリッジランプも購入済、トイレに良いかなと思っていたシーリングライトや、玄関に付けていた4灯の小型シャンデリアとお宝シェード等、照明はそこそこ足りてるかなと思っておりました。
でも、いざプランニングを始めると、まだ足りてないですし、シェードの入れ替えやら、いろいろ大変でした。

LDには、しっかりしたブロンズのキャンドルブラケットをお揃いで3つ付けることにしました。また玄関と廊下は、アメリカのティファニーガラスの流れを汲む、金色のガラスシェードを使っており、そのままのつもりでしたが、「壁紙が焦げ茶だから、クリスタル系が映えるわよ」との提案で、変更の上、2灯のブラケットを1つ玄関に追加し、雰囲気の合うカットガラスのシェードを付けることにしました。

トイレは今回、タンクレスにするため、小さいながらも手洗い台を付けていただきます。その手洗い台の上にはやはり鏡でしょう-ということになり、鏡の脇にブラケットが要るかなぁ-と検討したのですが、どうせブラケット付けるなら、便器の後ろの方が良いかということになりました。タンクがなくなって、壁面が大きく空いています。鏡があるのに更に絵をかけるのもうるさいし、こういう場所こそブラケットの出番です。そこそこ、壁面を埋めなければなりませんので、横に広がり気味のクリスタルの付いた華やか系を採用したところ、ピッタリです。

洗面室には、鏡の上か横にブラケットが必須ですが、鏡とのバランス・相性が非常に重要です。翡翠色のガラスモザイクに覆われる我が家の洗面室には、モダン系の鏡が良いだろうと思っておりましたところ、ちょうど入荷したばかりのシンプルモダンな鏡が、誂えたかのようにピッタリでした。鏡がモダンすぎて、アンティークっぽいブラケットが合わず、少々苦戦しましたが、淳子さんのアイデアで、少し前に入荷していたチャンピオンベルトのような大きめのキャンドルブラケットを改造して下向きに2灯、シェードを付けられるようにしたのが、ようやく合いました。顔を見る鏡ですので、厚みのあるミルクガラスのシェードにLED電球の強めのを入れて、下向きにしっかり照らせるようにしていただきました。

最後は寝室です。ガス・エレクトリックの4灯がメインで、この照明のシェードは、アッシドエッヂという、ガラスに酸をかける手法で模様を浮き上がらせた、上質で美しいシェードです。これに合うシェードを選び、2灯でややボリュームのあるタイプを、ベッド脇に延びるウォークインクローゼットの壁に付けることにしました。ブラケットの下には油絵をかけることにしています。家具を置けない壁が、灯りと絵で決まります。

こうしてブラケットを決めた後、更なる作業が待っていました。付ける位置を決めるのです。ブラケットの裏側には、壁から出てきた配線を接続する電線溜りがあります。デザインにより、溜りの位置は1つずつ異なり、必ずしもセンターにあるわけではないですから、付ける位置も1つずつ慎重に決めなければなりません。上下左右の物とのバランスは非常に重要で、5cm上げる・下げる、ということだけで見え方が全然違ってしまいます。どの位置に持ってきたら最良のバランスか、という判断は、なかなか素人には難しいと思います。ここだっ!という位置が、淳子さんにはどうしてわかるのか、不思議でなりません。照明の配置、特にブラケットの選定と位置決めが、こんなに難しいものとは、予想外でした。

全ての照明の位置が決まったら、ランプ用のコンセントの位置を決め、その他掃除機や家電のためのコンセントの位置を決めます。あちこちにあった方が便利ですが、あまり目立つのもいかがかと思いますので、脚のある家具の下の、見えにくい部分につけていただき、プラン完成です。

2012年6月22日金曜日

照明について(その1)

私は普通のサラリーマン家庭で育ち、子供時代は公団住宅住まいでしたから、天井付の蛍光灯照明が当たり前と思っておりました。アンティークの灯りの魅力は、灯りと共に照明器具や照明に照らされた物を眺め楽しめることだと思います。従いまして、1つずつの光量は抑え気味にして、多くの灯りを使います。光源から直接照らすのではなく、壁や天井、家具や鏡を照らし、その反射光が眼に優しく、照らされた物に陰影をつけて雰囲気を出してくれます。家具と比べたら、ほんのちっぽけな物なのに、照明を蛍光灯からアンティークの物に変えただけで、お部屋の空気が全く変わります。ファーストアンティークとして家具を1つ買うのと、天井照明を1つ買うのとを比べると、もしかしたら照明交換の方が、効果が大きいかもしれません。

照明の種類としては、まずシャンデリア。天井につける物で、キャンドルタイプとシェードタイプがあります。ダイニングテーブルの上やベッドの上等、多少下がっていても大丈夫な所と、リビング等人が立って歩く場所で照明が下がらない方が良い場所があり、デザインや光量と併せて選ぶ必要があります。

次に必要な物はテーブルランプです。部屋の隅は暗いですし、ランプを置ける天板のある台や小テーブルの上に載せて高さを出し、灯りを取ると、コーナーがぐっと決まります。もちろんただ置けば良いというものではありません。いくらステキなランプでも、それほど広くない部屋で四隅ともランプだったらおかしいですね。カーテンや家具とのバランスを考え、適材適所が重要です。

さらに、日本人に馴染みが薄いのですが非常に重要な灯りとして、ブラケット(壁付照明)があります。これは残念ながら、壁の中に配線しないと付けられませんので、壁紙を貼り替えるタイミングで工事をしなければなりません。下向きにして絵や鏡を照らしたり、家具と天井の間の空間を埋めたり、何も置けない玄関や廊下、洗面室の雰囲気をアップするために欠かせないアイテムです。付ける場所がある程度決まっている天井付のシャンデリアが、比較的選び易く付け易いのに比べ、ブラケットは家具・カーテン・絵等の配置が最終決定した後に付ける、上級者向けの照明器具ということになります。くれぐれも、「ご利用は計画的に」。

その他、サイドボード等、天板のある家具の上に小さいランプを左右対称に置くのは、定番の飾り込みです。またデスクの上、ピアノの上に、実用を兼ねたデスクランプやピアノランプを置くのもステキです。スタンド型の照明としては、ブリッジランプがあります。

また、アンティーク照明の短所である光量不足を補うために、必要に応じダウンライトも仕込んでいただきます。調光付のダウンライトでしたら、明るさが必要な時だけ明るくし、寛ぎたい時には間接照明だけで雰囲気を出すことが可能です。ダウンライトの新設には、やはり天井配線が必要な上、ダウンライトを埋め込む高さが必要です。昨今の新しいマンションでは、二重床・二重天井も増えてきて簡単になったようですが、我が家のような古いマンションですと天井は直コンクリートのため、ダウンライト設置場所は、天井を10cmほど下げなくてはなりません。天井を下げない他の場所は、ダウンライトの仕込みはもちろん、天井付照明の位置変更も難しいです。追加の灯りが欲しいベッド上には、梁を利用してダウンライトを埋め込むことにしました。なければいいのにと思っていた、古いマンション特有の深い梁が、初めて役に立ちます。

このように多種多様の照明を配置していくわけですが、沢山あるランプを1つずつスイッチでオンオフするのは面倒で、きっと点けなくなってしまいます。そこで、コマチ家具のリフォームでは、壁のスイッチで天井照明とランプ達を1度に点けたり消したりできるように配線してくださいます。場所によっては、ちょうど戸建住宅の階段照明を、階段下で点けて上がった所で消せるように、点けた所と違うスイッチでも消せるようにしていただけます。ここまで考えてデザインする、淳子さんの頭の中はどうなっているのでしょうか。もはや家具屋の域を完全に超えています。
(続く)

2012年6月19日火曜日

初めの1週間

着工後、2日間はひたすら取り壊しでした。2日目、帰宅して玄関を開けたら、玄関と北側の2部屋がなくなっていて、いきなり大空間が広がっていました。え、どこで靴脱いだらいいの?という状態です。壁が剥がされ、いろいろな線や管が剥き出しです。時々スイッチが付いている線があるので、恐る恐る押してみると、工事用の裸電球が点きました。

マンションって、本当に箱なんだなぁと思いました。集合住宅ですから、水回りの位置変更はさすがに厳しそうですが、それ以外は、リフォームでかなり何でもできそうです。思い切って全面リフォームにして良かったと思いました。
3日目には、ついに洗面台もなくなり、トイレの床・壁も剥がされていました。洗面室の床も本当はないのかもしれませんが、お風呂に入れるように、仮の床板を付けていただいているように見えます。洗濯機は何とか残していただけることになりました。壁露出のコードから、強引に電気を引いていただいていますが、使うことはできますので助かります。
                                              ←洗面所の床と給排水の配管  

→お湯と水の給水がここから分岐して、お風呂や洗面、キッチンに配管されている。



初日は思ったより大丈夫でしたが、その後はやはり聞いていたとおり埃がすごく、居住空間のリビングがざらつきますので、帰ったらまず掃除機をかけないと何もできません。台所は覚悟したほどではなかったのですが、口に入れる物はやはり何でも洗ってから使う、アライグマ生活です。最初の2日間は、本当に発狂しそうでした。
始まって3日目、この環境に私より順応していると思われたダンナが、「ねぇ、このリフォームいつまでやるの?もうヤだ。」と言い出しました。想定していたセリフでしたが、3日目で出てくるとは、早っ!! 私は入居前の水回りリフォーム時、家が工事現場になっていた様子をかなり見ていましたので、今回の状況もそれなりに予想がつき、相当ひどい生活になると覚悟していたのですが、ダンナはさっぱりわかっていなかったと思います。始めてしまえば、進むしかないですから、わからないまま、とにかくリフォームに持ち込んでしまえと思っていたのも事実でした。やはり無理して1期工事と2期工事を通しにしておいて良かったと思います。一度こんな目にあって、間をあけて2期工事をやるなんて言ったら、また
大揉めするところでした。

しかし、人間は慣れます。こんなものだと思えば、何とかやっていけます。
現在、和室にベッドを入れていますが、リビングと和室の間の引き戸を閉めておけば、和室はそれほどの埃になっておりません。和室の押し入れに当面の衣類を衣装ケースごと入れているのですが、それもかなり無事な状況です。扉があればあるほど、埃の侵入を防げます。気持ちの問題ですが、掛け布団は毎日押入れにしまい、ベッドの上にはカバーをかけて出かけております。リフォームを視野に入れ、古いシーツやカバーを捨てないでおいたのが大正解でした。テレビにも敷き布団用の古いシーツを毎日かけているのですが、周りにゴムが入っているので、大画面にひっかけるのにちょうど良い大きさです。

100円ショップで70リットルの大きなゴミ袋を買ってきて、家電はそれで対応しています。オーディオ機器はすべて線を外し、ゴミ袋で包んでしまいました。工事終了まで使えませんので、録画もできません。トースター・炊飯器もビニールをかけ、使う時だけ外しています。パソコン・電話FAXプリンター複合機も、日中は皆、ゴミ袋の中にいてもらいます。機械は人間より、埃に弱いそうです。
洗濯機と電子レンジが剥き出しのまま放置なのですが、この2つは寿命が近いらしく、どちらも調子が悪くて、先日も何だか洗濯が終わらないなと思ったら、すすぎを繰り返していました!バンっと叩いたら正気に返って脱水を始め、その後は大丈夫ですのでまだ使っていますが、もう壊れたら壊れたで良いかと思っております。

それから必需品なのが、埃取りのハンディモップ「ウェーブ」です。リフォームと関係なく、これは普段の家具掃除にも大活躍ですが、今回は特にリフォームに備え、箱買いしております。また、フローリングワイパーの替えシートも備蓄済みで、これは乾いたままでも水で濡らしても拭き掃除に役立っています。

しかしながら、やはりリフォーム時は、仮住まいできるならその方が良いと思います。我が家は夫婦揃ってあまり神経質ではないので、気にしておりませんが、きれい好きな方はいかがでしょうか。昼間ずっと家にいるわけにはいきませんので、専業主婦の方、小さいお子さんやペットちゃんがいらっしゃるご家庭は、住みながらの全面リフォームはおやめになった方が良いかもしれません。

住みながらリフォームの唯一の利点は、家の変化を毎日観察できることです。3日目に帰ると、だだっ広い空間に5cm角くらいの棒が1本立っていました。これは何だろうと思いましたところ、新しい寝室と納戸の境界で、斜めの壁が始まる起点でした。寝室はかなり変形になり、斜めの壁が沢山できますが、壁は板がいきなり立つのではなく、5cmくらいの角材で骨組みを作り、そこに板を張るんですね。天井をよく見たら、図面通りの壁の線が、すでに木材で打たれておりました。4日目には、寝室と納戸の間の壁の骨組みが、かなり出来上がっておりました。また同様に、寝室内のウォークインクロゼットの壁の骨組みもかなり建っており、部屋の形が見えるようになっていました。ゴールデンプランを描いていただいてから、もう3年ほど経ちますので、私にとっては百万回眺めてきた夢の実現です。骨組みだけで部屋の形が見えるのは、もう図面が頭に入っている私だけで、ダンナはさっぱりのようですが。


3日目・4日目・5日目で電気屋さんも来てくださったようです。考えてみれば当然のことですが、壁ができる前に配線しなければなりません。4日目には、玄関の物入れが完全に撤去され、その中に入っていた分電盤が、玄関脇の構造壁に打ち付けた板の上に露出しておりました。玄関の物入れの奥にあるトイレを拡張するため、分電盤のついた壁面を移動するのです。壁がなくなるとトイレが丸見えになりますので、板を打ち付けた仮設壁になっていました。狭いトイレがさらに狭くなり、床も壁も天井も剥がされ、一方の壁は板1枚になった中に、辛うじて便器だけが生きています。ダウンライトも撤去され、天井の穴から電球が下がっている一方で、配線とともに交換されたトイレの換気扇だけが新品になっていました。
露出した分電盤の左上から、電線の束が出ており、玄関脇構造壁の中へ消えています。この構造壁の中を通って、玄関扉の外脇にある電気メーターボックスへ繋がっているのがよくわかりました。イメージとして、分電盤の裏側にはさぞかし複雑な配線が渦巻いているのではと思っており、移動するのはすごく大変なことかと思っておりましたが、板の上に露出した分電盤は、予想外にコンパクトでした。
分電盤から各部屋へは、天井を通って配線され、天井から壁の中を通ってコンセントや照明器具取付位置まで電気が通ります。5日目には、骨組みだけの壁の一部に、コンセントがつき、一部スイッチの移動・新設がされていました。ユニットバスのドア上にカーテンを吊るので、ドア上の壁に付いていた換気扇の吸込み口を移設しなければならず、できるのかなと思っておりましたが、5日目には何事もなかったかのように動いていました。
廊下の物入れを撤去した跡地も、すでに下地が入ったようで、段差がなくなっています。廊下が広くなると、今まで目障りで気になっていた下がりのきつい梁も、少しは気にならなくなりそうです。広がった廊下の幅は、120cm弱になり、かなりの解放感です。マンションの玄関や廊下は狭くても仕方ないと諦めがちですが、水回りが絡まなければ思ったより簡単に拡張できるようです。


6日目の土曜日は工事日ですので、朝、大工さんが2人いらしてくださいました。大工のUさんは、コマチ家具で何度かお目にかかったことがあります。壁を斜めにしたり、開口枠を付けたり、1枚ずつ貼らなければならない無垢板の床貼りや腰板や巾木の施工等、本物志向のコマチリフォームは、熟練の大工さんでないと務まりません。電気屋さんにはお目にかかれませんでしたが、お名前だけはよく伺う、こちらも熟練の技術者です。長引く不景気で住宅価格が下がったのは有り難い気もしますが、ここまで安くなると高品質を求めるのは酷な気がしますし、信じ難い低価格の家のチラシを見ると、子供の頃読んだ、「3匹のこぶた」のお話の、わらの家・木の家・レンガの家を思い浮かべてしまうのは、私だけでしょうか。


















取り壊しだけで1週間くらいかかってしまうのかと思っておりましたが、初めの1週間で予想以上の進捗です。ただし、これからいろいろな職人さんに入っていただきますので、ご都合が合わず空いてしまう日もあったりするようです。工程の管理は、コマチ家具の田野口社長がされるのですが、工事の進捗を確認しながら、次工程の職人さんの手配と、並行して材料の手配もされますので大変です。

土曜日の午後、コマチ家具へ行ったら、洗面室の床材と洗面水栓とトイレの手洗いボウルセットが届いていました。カタログより実物の方が良い物ばかりです。楽しみです♪

2012年6月15日金曜日

ついに着工いたしました!

おかげさまで、着工いたしました。
直前の準備は、それはそれは大変でした!
やはり本気じゃなければできませんし、同居家族の中に反対者がいたら、到底ムリです。
何とか穏便にダンナを騙し騙し、リフォームに持ち込もうと思っていた時期もありましたが、それは甘かったと思い知らされました。家の半分だけでも、もうホントに大変。
コマチ先輩のKさんは、5回のリフォームを経て夢のようなおうちにお住まいですが、こんなことを5回もされたのかと思うと、改めて心の底から尊敬します。
結局、ベッド本体とテレビ台のみを残し、ダイニングセットやリビングのカウチ&ウイングチェアも、コマチ家具さんにお預かりいただくことにいたしました。まさしく、寝る所と食べる所だけの確保です。
テーブルは、コマチ家具のお客様からの不要引取り品で倉庫にあった現代物の丸いのをお借りし、椅子は昔使っていた折り畳みの安物が出てきましたので、それで凌ぎます。お借りしたテーブルは、今後リフォームをなさる皆様もお使いになるかもしれない共用品ですので、大事に使わせていただきます。どなたか今後、間に合わせの椅子がご入用でしたら、お貸しいたします。惜しげなくお使いいただいてけっこうでございます。(^^)
照明もすべて外しました。1期の工事エリアは、裸電球に針金のガードがついた工事用の電気を、天井から剥き出しになった配線に直接繋いでいただき、居住空間も納戸部屋に残っていた、ホームセンターで8千円で買った円盤型の蛍光灯をつけて、とりあえず生活はできます。
天井まで段ボールが積み上がり、間に合わせの家具と照明、足元にプラスチックケースやビニールで覆われた物が転がって、理想の空間とは程遠い状況に、私は今にも発狂しそうです。
しかし、これは産みの苦しみ。がんばらねば。
一方、実用一辺倒のダンナは、もともと蛍光灯の眩しい灯りが大好きでしたから、明るくなったし広くなったなと言って、全然へっちゃらのようです。あ-もう、このインテリア音痴のダンナにつける薬も、コマチ家具で売ってませんでしょうか?! 高くても買いますっ!!
初日、家にいても私にできることはないので、普通に出社しましたが、おうちがどうなっているのかすごく気になって、飛んで帰りました。マンションのエレベーターから我が家まで、共用廊下がブルーシートで養生され、造り付けの下駄箱の扉、寝室・納戸部屋のドアが撤去されており、寝室クローゼットと寝室・納戸部屋の間の壁も、取り払われておりました。
マンションの壁って、こんなにちゃちなのか-とびっくり。壁を抜くというのは、すごく大変なことかと思っていましたが、1日で壊せちゃうんですね。コンセントのあった辺りの床から、電気の線が出ていますし、新築当時ついていたらしい、壁付けのTES暖房パネルの名残のガス管らしきものが同様に床から出て生えています。上から垂れ下がってるコードは、何の線だろう?? テレビのジャックも動かす予定ですが、どうやってやるのかしら? 梁の一部が露出していますが、けっこうしっかりしてます。ベッド上の梁下にダウンライトを仕込むなんていう案もありましたが、できるのかな?
着工直前は忙しく、コマチ家具に行けなかった週もありましたので、照明のプランニングは途中までしか聞いていないままの着工です。照明につきましては、また日を改めまして、ご紹介したいと思います。(今ちょっと、忙しい・・・(涙))
初日は、居住空間の方は、思ったほど埃になっていませんでした。閉めていても、埃が家中に回ると皆様から聞いておりましたので、覚悟して帰りましたが、まだこれからのようです。今は壊すだけですが、これから新しい壁を造る工事が始まると、物凄いとのことです。
新しいマンションですと、24時間換気が回っていますので、止めなかったら1日でフィルターが真っ黒になったと聞きました。我が家は古いため24時間換気はないですし、お風呂の換気扇もたまにしか掃除しないので、もともと汚いんですけど、とりあえず毎朝、お風呂の換気扇だけは止めて出ることにしました。まぁ気持ちだけ、対策ってことで。そのうち忘れてやらなくなりそうですが。
洗面台と洗濯機も、いつまで使えるのかな?洗濯機は狭小風呂場に押し込む予定でしたが、風呂場の蛇口と洗濯機は繋げないかもしれません。夏場なのに、家で洗濯できなかったらどうしようと心配です。ネットでコインランドリーを探したのですがヒットせず、困ったなぁと思っていたら、ダンナが、うちのマンションの裏にあるよと言うので、近いうちに見に行かなくては。あ-忙しい。
思い出したように銀行から電話があり、審査中のローンについて、保証会社から「どうしてご主人様ではなく奥様がローンを組まれるのですか」と確認が来ているとのこと。うるさいな、うちの勝手じゃんと思いましたが、別に小細工する必要もないと思い、「ダンナが大反対のリフォームを、押し切って私がやるので、ローンは私が組む」とそのまま回答しました。とりあえず、それで済んだようです。大きいお金を借りるのは人生で初めてですので、何事も勉強です。共働きで他にローンもなく、問題はないと思って軽く見ておりましたが、いろんなこと聞かれるんですね。
来週末、銀行にローンの契約に行って参ります。持ち物の中にダンナ(担保提供者)も含まれます。首に縄つけて連れて行かなくては。
よく、家を新築後、病気になるという話を聞きますが、初めてわかる気がしました。マンション購入時は箱を買うだけでしたので、それほどでもありませんでしたが、土地から購入され、上物をお建てになる方、さぞかしご心労が大きいこととお察しいたします。何もかも1つずつ決めなければなりませんし、お金のこと、引越しの手配、お子さんがいらしたら学校の問題もおありでしょう。体調が悪くなられても、不思議じゃないかもしれません。
でも多くの日本人にとって、家を買うということは、一生に一度の大イベントです。残念ながら、大抵の日本の家は、そのまま満足して一生を過ごせるものではないと思います。イギリスでは、小さな家を少しずつ自分で作り替え、機能も内装も向上させてより高い値段で売却し、少しずつ広い家に住み替えていくということが一般的だそうで、機能や内装の向上が中古住宅の評価の向上に結びつくそうです。日本も早く、そのような住宅環境になると良いと願っております。

工事中の画像も一部ですが公開いたします。
解体された壁が無残な姿に。
もう後戻りはできない…



2012年6月10日日曜日

契約と準備


 私の心積もりでは、リフォーム開始は9月頃の希望でしたが、施工の長瀬工務店さんのご都合や、私の後にコマチリフォームを予定されている方々のスケジュールもあり、6/11()着工となりました。
予定よりぐっと早まって、気持ちばかり焦ります。
 全面リフォームですので、仮住まいも検討しました。本当は、一旦引っ越して家を空けた方が、職人の皆様もやり易いですし、工期も短縮できるそうですが、賃貸物件は基本的に2年契約ですし、3-4ヶ月くらいの短期間のために、電気・水道・ガス・郵便等の手続きをして、家中の荷物を荷造りして運び出す等、フルタイムで働いている身には厳しい話です。

 工事現場で生活することになるとの話ですが、4ヶ月弱ですので、住みながらがんばることにします。
工事は、マンションの規程により、日曜・祝日を除く9時-17時までできますので、6/11着工・9/21引渡しの予定になりました。余裕を持った日程とのことですが、何らかの事情により多少のずれは発生する可能性があります。新築と異なり、今あるものを作り替えるわけですから、解体してみたら思いがけないことが起こったということも、全くないわけではありません。

 1期工事で、玄関・廊下・納戸部屋・寝室・トイレ・洗面室、2期工事でLDとキッチンをやります。1期の方が面積も広く、壁面の大幅移動や水回りがある上、ドアの数も多いので、重めの工事となります。
お風呂場は何もしませんのでずっと使えますが、洗面室が1期工事中のほとんどの間使えませんので、洗濯機をお風呂場に入れ、シャワーのみの生活です。トイレは、便器交換をする2-3日、使えなくなりますので、その間だけは駅前のビジネスホテルに泊まる予定です。

 1期が終わったら、荷物の移動もしなくてはなりません。いろいろ考えると心配なことは多々ありますが、何とかなるさ、死ぬわけじゃなしという気持ちでいます。
正直なところ、準備も山盛りで、くよくよ悩んでる暇もなく全力疾走中です。
現在、家にある家具のうち、生活に必要な最低限の物を残し、工事中不要な物はコマチ家具さんにお預かりいただくことにしました。食器や本等の一部も、倉庫の片隅に置いていただくことにしました。どんどん箱詰めし、とりあえず家に残す物で使わない物は、リビングの一角に天井まで積み上げ中です。特に工事初期段階の解体中は、家中が埃になると聞いておりますので、箱はガムテープで封印し、冬物衣料や布団等は、ビニールで包む等、大わらわです。

 家の片づけと並行して、コマチ家具との契約、ローンの手続きとやるべき事に追われております。
5/19()に、ようやくダンナを説得してコマチ家具との契約を交わし、その翌日、銀行にアポを取ってローンの相談に行きました。リフォーム契約書や見積書、図面や登記簿謄本、印鑑証明、源泉徴収票、住民税通知書等々、考えられる書類をかなり持っていきましたが、やはり1度では済みませんでした。
 来週また、銀行や役所に足を運び、仕事から帰ったら夜中まで荷物整理です。諸先輩の皆様が、着工してしまえば、あっと言う間だと励ましてくださいましたので、その言葉を信じてがんばります。
 いつか痩せたら着ようと思っていたバブル時代の服や、若かりし頃のスキー・ゴルフ・水着等のアウトドア用品等、驚く品々が押入れの天袋から発掘され、しばし思い出に浸りましたが、もうこの先の人生には不要(着られない・・・いろんな意味で)と決断し、夜中にゴミ置き場を何往復もしました。
だいぶ片付き、あと一息です。がんばります。

 着工後のご紹介は、コマチ家具の田野口社長と一緒にさせていただきます。

 いよいよ明日着工です!引き続きよろしくお願いいたします。

施工前の写真を載せておきます。

現状の廊下です。                       現状のLDと和室です。


2012年6月9日土曜日

ガラスモザイク


 洗面室にガラスモザイクをお使いのおうちを、今までに数件、拝見させていただきました。壁紙を貼った居室とは全く違う、何とも言えない異空間です。
 マンション購入時の水回りリフォーム時、ホテルのような洗面室にしたいと思いつつ、結局は予算の都合上、塩化ビニールの壁紙と既製品の洗面台(それも上級ではなくノーマルクラス)にしてしまい、あ-やっぱりこんな物かと思っておりました。120cmの洗面台は左右にゆとりがあり、鏡も生活観丸出しの3面鏡ではなく1枚の大鏡にしたのですが、やはり既製品は既製品。入口に洗濯機が丸見えで、ホテルのような洗面室には程遠い物でした。
家具を1つずつ揃えていた初めのうちは、玄関や廊下、洗面室等は、はっきり言ってどうでも良いと思っていて、とにかくリビングと寝室の家具が揃ったら、壁紙を貼り替えて・・くらいのつもりでした。

 ところが、完成した皆様のおうちを見せていただくと、とにかく全てが完璧で、お邪魔しますと玄関ドアを開けた瞬間から別世界。何件も素晴らしいおうちを見せていただくうちに、リビングや寝室だけじゃダメなんだということに気づき、ここまでやらなくちゃならないのか、できるかしらと弱気になったこともありました。
 古い造りの我が家は、トイレとお風呂が狭小な割りに、何故か洗面室は広め設計です。今回、入口で丸見えの洗濯機と奥にある洗面台を入れ替え、ユニットバスの入口から洗濯機までをカーテンで隠してしまうことにしました。コマチ家具のリフォームでは、既製品の洗面台は推奨していません。造作の洗面台を作り、輸入品の洗面ボウルと蛇口、天板は大理石が基本です。壁は、紙クロスを貼る場合は洗面台の少し上まで腰板を入れて、水が直接紙クロスに撥ねないように施工してくれます。リビング等でお金がかかってしまい、洗面室にまで紙クロスは無理だわ-ということになったら、塩化ビニールの壁紙でもちゃんと選んでステキにしてくれます。もちろん、もっと予算的に厳しくて、洗面台も替えられないけど、壁紙だけでも・・という要望にも対応してくれます。やはりどんなお宅でも、優先順位を考えると、洗面室は最後になりますよね。でも、でも。

 私はどうしても、今までに見せていただいたガラスモザイクの洗面室が頭から離れなかったのです。
写真ではわかりにくいのですが、照明の当たり具合でガラスタイルが微妙に色変わりして、本当に美しく、いつまでも居たくなる空間です。
 リフォームの暁には、洗面室は絶対、ガラスモザイクにするっ!!と何度宣言してきたかわかりません。
ゴールデンプランを描いていただいた当時は、ガラスモザイクは本当に値段が高くて、我が家の広めの洗面室では、かなりの費用がかかるとのことでした。

 もっと狭かったら良かったのに、と本気で思ったこともありました。ところが、リーマンショック後の長引く不景気で、だんだん値段が下がってきたのです。今回も一度は予算が回らないかと諦めて、「なんちゃってモザイク」の塩化ビニール製壁紙に決めたのですが、最終的に壁紙を貼るのとそれほどの差が出ないことがわかり、それならばと念願のモザイクタイルを貼ることにしました。
 以前見せていただいたおうちの中で、焦げ茶のタイルを使った洗面室が印象的で、何となく茶色が良いかなと思っていました。少々重苦しくて暗い気もしますが、そのお宅の金色のシェードから漏れる灯りが焦げ茶のガラスモザイクを何とも言えない色に見せてくれたのが、今でも忘れられません。

 ところが、コマチ家具で見本を見せていただいたところ、焦げ茶のタイルに刷毛目のような金がかなりかかっていました。あれ、こんなに金の分量が多かったかしらと記憶を辿っていたところ、淳子さんがメーカーのショールームに確認しに行ってくださって、私の憧れの焦げ茶のタイルはもうないことがわかりました。輸入品は何でも、国内量産品と違って、同じ品番でも微妙に色が違ったり、突然廃番になっていたりしますので、以前使って良かったから、という思い込みは禁物なのです。

 ショールームで発見された、淳子さんからの新しいモザイクタイルの提案は、なんと「緑」。
 「みどりぃ-??」と叫んでしまったくらい、予想外の展開です。見本を見せていただき、事前説明通りの翡翠色ですが、1cm強×1cm強のタイル10粒くらいのサンプルでは、これが貼られたらどうなるのか、私の凡人頭ではよくわかりません。でも、床=白、天板=白、洗面ボウル=白、カーテンも白(予定)、そして壁と天井に翡翠色のモザイクタイル、蛇口や引出し金具、照明が金の予定です。
 んー、それもいいかなぁー。

「だって、廊下が茶色でしょ、茶色から茶色だと、真っ暗暗になっちゃうでしょ。」

 あ-そうでした、廊下茶色にしたの忘れてました。
ま、よくわかんないけど、淳子さんの「絶対ステキになる」という言葉に裏切られたことはないので、ここは提案どおりに決定です。

2012年6月8日金曜日

ステンドグラス


■ステンドグラス

 LDのクロスが白に決まったことにより、床も壁も天井も白になることになりました。リビングは明るくしたいので、それはそれで良いですし、LDには家具もたくさん入りますから、白い部屋にマホガニーの家具が映えるのが楽しみです。LDに入れるステンドグラスは、色使いが激しくない物=無色がカッコイイと思いこんで、初めそのようにお願いしていたのですが、「何だかホントに色のない部屋になっちゃうので、少し色が入ってもいいかも」とアドバイスいただきました。

  リビングドアはこれがいいと思う-と勧められたステンドは、一目で気に入りました。丈を詰めなければなりませんが、デザインには影響なしです。
 リビング正面の掃出し窓は、カーテンの代わりに、ステンドグラスを入れた引き戸を4枚入れる予定です。梁が深いため、掃出しなのに高さが180cmしかない横長の窓は、カーテンをかけてもそれほど映えませんが、ステンドの引き戸4枚というのは、今までの施工例で見たことがない最新案です。ただしここは、4枚同じ扉が並びますので、シンプルな柄が良いのです。同じステンド4枚となると貴重品ですが、ちょうど良いのが見つかりました。オリジナルのガラスの周りにガラスを足して、希望の大きさに仕上げてもらいます。また、赤いガラスの色が少し強いので、色なしのダイヤガラスに入れ替えていただくことにしました。
 リビングには、もう1ヵ所、引き戸の腰窓があります。ガラスもそこそこ大きく、ここをどうするか少々苦戦し、ここだけは初め検討していた無色ガラスを使うことで一旦決めたのですが、後日、色柄ともにすばらしい物が見つかり、変更できました。

 コマチ家具の施工例では、それぞれのおうちにぴったりのガラスが、初めからあったかのように付いていますので、今まで違和感なく見ていましたが、我が家のリビング3ヵ所7枚のサイズと色柄を考え、欲しいサイズになるようにデザインしていく、その過程がこんなに大変だったんだと初めて知りました。一旦決めた腰窓の無色ガラスも、まぁこれでいいかと私自身が思っていたのに、淳子さんは、「何か違うんじゃないかと引っ掛かっていた」とのことで、より完璧な組み合わせに変更できました。

 ところで、淳子さんが選んだ候補のガラスが1枚余りました。「これも良いガラスなのよ。こっちをリビングドアでもいいかしらね?」と言われて、急に思い出したのが、リビングドアの廊下反対側の納戸ドア。ここは玄関に近いため、ガラスを入れて玄関に光を取り入れる予定でしたが、リビング3ヵ所の組み合わせが難しく気を取られたため、すっかり忘れておりました。ちょうど余った1枚を、そこに採用して完璧になりました。4ヵ所8枚です。まずガラスの加工を依頼し、それが仕上がってから、建具屋さんにドアや窓枠を作ってもらうそうです。もともと古い物を、手で加工しているのですから、ミリ単位の誤差が発生する可能性があります。先にドアや窓枠を作ってしまい、入らないということにならないよう、ガラス優先なのだそうです。

2012年6月7日木曜日

床材

 我が家は、新築当時はカーペット敷きのマンションだったそうですが、以前お住まいだった方がかなりの部分をフローリングにされていました。ところが、色はナチュラル系の中途半端な黄土色。床はいじらなくても良いかと初めは思っていましたが、だいぶ疵になってきましたし、どうせ替えるなら白がいいな-と考えが変わってきました。フローリング材は、みんな同じなのかと思っていましたが、安いのはベニヤ板の上に本当に薄っぺらな木材を加圧して貼り付けただけだそうです。言われてみれば、我が家の現在の床がそれで、疵になったところは下の合板部分が見えています。

 コマチ家具では従来、無垢で薄めの「オークボーイ」という床材を推奨してきましたので、私もオークボーイの白を使うつもりでした。無垢板の厚いのは、伸び縮みして暴れやすいそうですが、薄くて無垢のオークボーイは、疵になっても味が出る、アンティーク家具と相性の良い床材で、皆さんそれをお使いでした。ただし、合板の安物と比べると値段が高く、1枚ずつ貼るので施工費も高めです。

 床をそのままにすれば、費用がぐっと落ちるとわかっているのですが、ナチュラル色の床では、建具や壁紙の選択範囲がかなり狭まりますし、あとでやっぱり・・と思っても、また家具を動かして床を貼り替えるなんて、絶対やらないだろうと思いました。どのみち、和室の跡地には床材が必要ですし、この際やっぱりオークボーイだ!と決断しましたところ、何と、オークボーイが突然、廃番になっていました。ガ-ン!田野口社長が、いろいろ調べてくださり、見本を取り寄せたりして研究の結果、何とか代わりの無垢の床材が見つかりました。今後は、オークボーイの代わりとして皆様これをお使いになる新素材です。我が家が施工第1号です。

 既存の床を剥がして貼り替えると、当然施工費や廃棄処分費が発生しますので、我が家では現在の床の上にそのままもう1枚、フローリングを貼ることにします。すでに現在の床は、マンションの基準(L-45)を満たしていますので、騒音問題も発生しません。

 本当は、床は全て無垢フローリングにしたいのですが、何しろお値段が張りますので、納戸部屋と寝室内のウォークインクローゼットはコルク床にすることにしました。コルクと最初に聞いた時、コルクボードやワイン栓のコルクしか浮かびませんでしたが、あんなに軟らかい物ではなく、実物はコルクと言われなければわからない、十分な強度を持った床材です。また洗面室の床は、水周りということもあり、塩化ビニール製のタイルを使うことにしました。

 現在のキッチンの床は、よくあるクッションフロアです。前回のリフォーム時、何となく安っぽくてイヤだなと思ったにも拘わらず、知識も予算もなく、勧められるままに決めてしまい、ずっと後悔してきました。食器を落としたら疵になり、その中に汚れが入って落ちないので、何でこんなのにしちゃったんだろうとずっと思ってきました。今回は、リビングからフローリングを通しで貼ることにしました。

 玄関もクッションフロアのまま、交換しなかったので、かなり汚れています。ここは、コマチ家具の施工例によく出ている、大理石にしていただく予定です。天然石の施工は、その場でカットしながら貼っていくそうで、そんなに広いわけでもないのに、2日弱かかるとのことです。

 今までに見せていただいた、皆様の完璧な空間は、こうして1つずつ作られたのかと、今さらながら驚きの連続です。

2012年6月6日水曜日

クロス(壁紙)

 コマチ家具には、何十冊も壁紙見本があります。色・柄ともに通常の日本人の感覚では選べない大胆な物が多いため、見本帖も縦70cm×横50cmくらいあるのですが、それでも全体を見られない巨大柄の物もあります。

お好みは皆様いろいろと思いますが、私の当初の希望は以下のとおりでした。

 玄関・廊下=陽が入らず、どのみち暗い所なので、重厚な感じにしたい。ただし、床から天井までダークな壁紙ではホントに真っ暗になってしまうので、壁の下半分に白の腰板を貼り、上は墨色か焦げ茶の柄物希望。

LD=重厚な廊下と対照的に明るくしたい。白・クリーム・アイボリー系。
寝室=落ち着く感じ。ベージュとか?
洗面室=本当は、ガラスモザイク希望。でもお金が回らなければ、あきらめる。
トイレ=狭くて家具も置かない場所なので、冒険的でもよいかも。

 そして、全体的に私は、金・銀の地模様が入っていたり、エンボスが効いている物が好きなのです。光の当たり具合でいろいろな表情を出してくれそうな気がするからです。

 さて、莫大な見本帖を、淳子さんが事前にチェックしてくださり、すでに14冊まで絞り込まれていました。どれも私の好みばかりです。この人にはこれが似合うし好みも合うだろうと見極めて勧めてくれる、さすがのプロの目です。

 LDは、エンボスの利いた地模様入りの白に決まりました。金も入っていて、理想通りです。玄関からその白いリビングへと続く廊下は、暗い色で渋くと思いましたが、あまり暗いとかける予定の油絵が沈んでしまうとアドバイスを受け、シルバー地にこれまたちょっぴり金の入った、柄物に決定しました。

 決定した壁紙を見本帖を開いて見えるように立てかけ、流れを確認しながら次へ進みます。シルバー地の渋い壁紙の廊下から続く寝室です。ベージュのダマスク柄等、基本的に好きですし落ち着くと思うのですが、何故かなかなかピンと来ません。金属的でモダンな感じのシルバーと比べると、ベージュのダマスクがダサく見えてしまうのでしょうか。見本帖の残りが少なくなってちょっぴり焦った時、「これは!」というのが見つかりました。シルバー地にストライプの入ったカッコイイ系です。シルバーにシルバーでも、見え方が違うので大丈夫、どちらもステキです。

 後で気づいたことですが、私が目指していた物は、クラシックとモダンのギリギリ境目の路線だったようです。ビビッドな色遣いや幾何学模様等のモード系モダンまで行くのは抵抗あるけど、古いお城みたいな超クラシックなのも私には重すぎるのです。

 寝室はストライプシルバーをメインに、チェストとテレビを置く予定の壁1.5m分だけ、同じトーンの柄物を貼り分けることにしました。

 トイレは、白地に黒。モノトーンでまたカッコイイ。白地に縦に黒でゼンマイ模様が入っているのですが、黒い模様部分は細く、間隔も開いているので清潔感もあります。掃除を考え、トイレにも腰板を入れることにしました。狭小トイレですが、楽しみになってきました。

 過去に何度も、洗面室は絶対ガラスモザイクにするっ!!と宣言していた私ですが、いざ具体化してくるとやはり全体予算を考えずには進めません。我が家は浴室とトイレが狭小なわりに洗面室は広いので、ここに全面モザイク貼ったらいくらになるかなぁ-と考えたら、少し頭が冷えました。それでもガラスモザイクが気になる私に淳子さんからの提案は、「なんちゃってモザイクはどう??」とのことでした。塩化ビニールの壁紙で、ガラスモザイクと同じくらいの大きさの四角が並んでおり、かなりモダンです。白地に金で、壁紙サンプルではピンと来ませんが、洗面室に貼ったサンプル写真で見ると全然違って見えます。

 遠目に見ると、白壁に金タイルを貼ったように見えなくもないという意味で「なんちゃってモザイク」なのですね。全面に貼ると思ったより清潔感も出そうです。その日はここまで。夜11時近くまでかかりました。

  ところが翌週、コマチ家具へ行くと、やっぱり廊下の壁紙は、梁の柄合せが難しいかもという話になっていました。鉄骨鉄筋造りの古いマンションである我が家は、廊下の梁が激しく、天井部分がかなり複雑なのです。梁と梁がぶつかるところは柄合わせが必要ですが、2段階に折り上がっている部分もあり、縦にも横にも柄を合わせるのは、先日選んだ壁紙では難しいということになりました。気に入っていた壁紙でしたが、諦めることとし、柄合わせをあまり考えなくても良い物を選び直すことにしました。廊下から続くのは、白いLDと、シルバーの寝室です。少々難航しましたが、焦げ茶の地模様の上に、細い金の柄が飛んだ渋いのが見つかりました。床と天井、腰板の白と合わせ、当初の理想通りの重厚な廊下に仕上がる予定です。

 また併せて、納戸部屋と寝室のウォークインクローゼットの壁紙を決めました。これらのバックヤードはコストダウンできる数少ないポイントですので、塩化ビニール製の壁紙で1,000/1mの中から、割と無難(・・・と言っても普通は自力では選べないと思います。コマチ基準で無難という意味です。)な物を選んでいただきました。

2012年6月5日火曜日

現地調査&プランニング


■現地調査(3/31

 見積りのための現地調査に、いらしていただきました。コマチ家具の田野口社長と淳子さん、そして提携している長瀬工務店の長瀬社長の3名です。13:30くらいから、18:30過ぎまでかかりました。測りたい壁面にレーザーを当てると距離が出る新型メジャーを駆使しても、我が家は古い造りで梁が多く、凸凹を1ヶ所ずつ計測するのは大変です。田野口社長にお渡しした図面は、細かい数字でびっしりになりました。見積りや壁紙の発注は、全てこの計測により描かれる図面に基づくことになりますので、とても重要です。我が家は77.84㎡の3LDKです。それを今回のリフォームでは、1LDK+納戸にする予定です。工事は、住みながらのリフォームにするため、1期と2期に分けますが続けて実施の予定です。


リフォーム概要は以下のとおり。 

【玄関】=壁移設により拡張。下駄箱撤去。タタキをクッションフロアから大理石へ貼替え。配電盤の入っている物入れの奥行きを浅くする。配電盤移設。物入れドア交換。壁紙貼替え。

【廊下】=物入れ撤去により拡張。物入れ跡地にフローリング敷設。壁紙貼替え。

【納戸部屋】=玄関および寝室との間仕切壁移設により縮小。既存床の上にコルク床敷設。壁紙貼替え。収納棚およびカウンター新設。入り口ドア交換。

【寝室】=納戸部屋との間仕切壁移設。クローゼット撤去。カーテンボックス撤去。既存床の上にフローリング敷設。ウォークインクローゼット新設。ウォークインクローゼットの床は既存床の上にコルク貼付。入り口ドア交換。壁紙貼替え。

【リビング】=和室との間仕切り壁撤去。カーテンボックス撤去。既存床の上にフローリング敷設。入り口ドア交換。掃出し窓にステンド引き戸4枚新設。腰窓にステンド引き戸2枚新設。壁紙貼替え。天井を10cm下げて照明移設と共にダウンライト新設。
【和室】=押入れ撤去。障子撤去。畳撤去。リビングとの間仕切壁撤去。床をフローリングへ貼替え。カーテンボックス新設。壁紙貼付。天井を10cm下げて照明移設と共にダウンライト新設。


【トイレ】=玄関側の物入れを浅くすることで、トイレを拡張。便器交換。手洗い台新設。床はクッションフロアからフローリングへ貼替え。壁紙貼替え。

【洗面】=洗濯機と洗面台のポジション交換。洗面台交換。収納棚新設。壁および天井をモザイクタイル貼付け。床はクッションフロアから塩化ビニールタイルへ貼替え。

【キッチン】=壁紙貼替え。床をクッションフロアからフローリングに貼替え。

■プランニング

 計測結果を基に、田野口社長は計測後1ヶ月掛かりで我が家の図面を描き進めてくださいました。現状の俯瞰図、完成後の俯瞰図、各部屋は四方の壁を1面ずつ、更に洗面台の設計図等の詳細図面もあります。百万回眺めてきた念願のゴールデンプランが形になっていくのが、とっても嬉しかったです。
天才ひらめき型の淳子さんの空間デザインを形にしていくのは、田野口社長のお力あってこそです。
すごく大雑把に、この窓にはステンドガラスを入れよう!とか、ここに棚を付けよう!等と決めていたのが、実際に図面を描く段階では、ステンドの大きさは○cm×○cm、壁の幅、棚の奥行きはどのくらい、と具体的になっていきます。毎週、描き進んだ図面をいただいて持ち帰っては眺め、ここはこうなるのか-とか、思ったより幅ないんだなぁ-とか、ここに棚つけられないかなぁ-とか、疑問や要望をやり取りし、また新しい図面をいただいて帰る、の繰り返しでした。

 大まかなゴールデンプランはできていたとは言え、それは基本的に家具をどのように置くか、ということがメインでしたから、床材、モールや巾木の太さ、石材の種類やデザイン、壁紙や照明配線等々、決めなければならないことは山のようにあります。

 トイレの手洗いや洗面台のボウル1つでも、自分で決めなさいと言われたら、どうしたら良いのかわかりません。腰板の高さはどのくらいにするのか、壁紙と天井の境目はどこにするのかといったことも、なるべくコストを抑えてできるよう、細かく考えてくださいます。田野口社長が1つずつ、これで良いですかと聞いてくださるのですが、実はものすごく調べ、検討の上でのご提案ですから、はい、良いで-すとお任せ状態。自力でそれを超える選択などできるはずもありません。


 家具を置く居室はゴールデンプラン通りでほぼ決定でしたが、家具を置かない納戸部屋は、造作収納をお願いしますので、一からのプランニングです。壁一面を収納にし、洋服をかけるパイプを長尺用と2段パイプに分け、ダンナのスポーツ用品を入れるスペースも作ることにしました。もったいないから、梁下のデッドスペースに浅い棚を造りつけたらどう?と淳子さんから冴えた提案が。行き場の無くなったバッグや、普段使わない旅行用のスーツケースを、洋服ハンガーの奥に入れられます。
 
 また腰窓の下には、机として使える高さにカウンターを作りつけ、窓の両側の僅かなスペースも無駄なく浅い棚を付けていただきます。現在、5.2畳の部屋ですが、隣接する玄関と寝室を拡張するため、4畳弱になってしまうスペースです。所詮、物置だからと思って期待していなかったのですが、使える壁面をフルに生かした想像以上のプランニングとなり楽しみです。

2012年6月4日月曜日

全面リフォームを決意した運命の家具

 コマチ家具に出会った直後は、全面リフォームまでする気はありませんでした。何しろまだまだ足りない物だらけ。そのうち、壁紙くらいは… できればカーテンも…。でもそれはいつのこと?? そんなある日、「今日は久しぶりに、すごい家具が入ったんですよ-。マホガニーのミラーバックサイドボードです-。」 どこどこ?? それは見なくては。見るだけならタダですから。
 
 それはお店の地下、降りてすぐの所にいました。幅210cm、高さ200cmの大型ミラーバック。ギリシャの神殿みたいな柱に支えられた上台。一目惚れでした。お金もない、置く場所もないのに、気付いたら、「これ買う!!欲しい!うちに入るかしら??」と叫んでいる自分がいました。
 しかし、いくら一目惚れでも、家に入らない物は買えません。我が家の図面が広げられ、「入るわよ。押入れ潰せば。」 そっか入るんだ!我が家のリフォーム計画が決定した瞬間でした。

 そして、図面上に家具を落とし込みした「ゴールデンプラン」を作っていただきました。その時点では、まだ足りない物もありましたが、「寝室のベッドの足元には、幅140cmくらいのチェスト」「玄関にシューズボックスとして使うホールローブ」「掃出し窓の前にデスク」等と具体的な必要家具を示していただき、出来上がりのイメージが湧きましたし、がんばろうという気持ちになりました。
 
 アンティークの家具は、基本的に1点物ですから、スルーしてしまうと後悔する場合も多々あります。常連のお客様は目が肥えていますし、良い物はすぐなくなってしまいますから、これだと思ったら即決をお勧めします。何でも置けば良いわけではなく、見せる家具、収納家具、と役割が違いますし、他の物とのバランスも重要です。
もし、HPに載っているおうちのような、トータルに計算された空間をお望みならば、「安いから」「置けるから」という理由で安易にご自分で選ばないことをお勧めします。そのような理由で買った物は、後でトータルコーディネートをお願いしようと決意された時、どうしようもなくなる可能性が高く、結局、遠回りになってしまいます。
初めからプランニングをお願いしておけば、家族構成やおうちの収納スペース等も考慮の上、1つめの家具からベストな提案をいただけます。決断力のある方は、お部屋が整うのも早いようです。

 私はどうやら運が強いらしく、希少アイテムも割とスムーズにクリアできました。特に難しいのはベッドとテレビ台で、手に入れるまでに何年もお待ちになる方もいらっしゃいます。とにかく、お店をマメに訪ねて、何事も相談の上、運命の家具に出会えたら即決、これが近道です。

■そして、リフォームへ

 コマチ歴丸5年が過ぎ、私はいよいよ、もう必要な家具がほぼなくなったことに気づきました。コツコツと1つずつ買い揃えて、思えば長かった5年でした。この間に買い揃えた物は、

【玄関】=ホールローブ(下駄箱)、照明、絨毯

【廊下】=グラスキャビネット、ランプ、油絵、照明、ブラケット

【ダイニング】=ダイニングテーブル&椅子、シフォニア、カップボード、絨毯、照明、ランプ、ブラケット

【リビング】=ミラーバックサイドボード、グラスキャビネット、TV台、カウチ、ウイングバックチェア、ネストテーブル、絨毯、油絵、シャンデリア、ブラケット

【書斎コーナー】=デスク&椅子、ホールローブ(本棚)、絨毯、ブリッジランプ

【寝室】=ベッドヘッドボード、ベッドマットレス、ベッドサイドカップボード、ランプ、照明、ブラケット

 こんな感じでしょうか。正直、安くはない金額です。最初にこれだけかかりますと言われていたら、引いたと思います。でも1つずつなら手が届きました。それまでダラダラと服や靴やバッグ、アクセサリーにお金を使ってきたのを一切やめ、とにかくこの5年はインテリアに集中投下してきました。
この5年間に、私より後にコマチ家具にお見えになった方が何人も、家具を揃えリフォームや新築でどんどん素敵なおうちを手に入れていかれました。羨ましかった時も何度もありましたし、我が家はいつできるんだろうと弱気になったこともありました。
 
 リフォームに向け、大きな障害となったのが、ダンナです。理系のダンナはインテリアに興味ゼロ、この5年間、家具は全て私のお給料から買ってきました。値段が高いだの必要ないだの言われたら、1点しかない家具を逃してしまいますから、相談もせず、ともかくゴールデンプランを頼りに突っ走ってきました。途中で何度か、少しでも興味を引くようにウンチクを話したり、コマチ家具に誘ったりしてみましたが、効果はありませんでした。
リフォームとなると、家具を買うのとはケタ違いのお金がかかりますし、こっそり買って倉庫に置いておいてもらうというわけにもいきませんので、揉めに揉めました。我が家の中の揉め事に留まらず、うちのダンナはコマチ家具にも失礼なことを言ってご迷惑をおかけしましたし、双方の実家も撒き込んで、一時は離婚寸前でした。
リフォームを巡っては、金額が張るだけに、似たような話は聞いていました。多くの男性はインテリアに無関心ですから、費用だけ聞くと騙されているのではと思うようです。

 金額が張るのは、材が良いから。壁紙は輸入の紙クロス、アンティークのステンドグラスを入れて作るドアや窓、開口枠や腰板やモールディングも木材で、塗装は後からです。初めから塗装済みの合板は、LDにはほとんど使いません。カーテンも、窓1つずつデザインを考え布を選び・・となると、やはりそれなりの金額にはなります。職人さんも、大工さん、建具屋さん、壁紙屋さん、石屋さん、電気屋さん、水道屋さん、塗装屋さん、とそれぞれのプロに作業を依頼しますので、施工費もかかります。もちろん、コストダウンできるところはするのですが…。例えば我が家の場合、納戸部屋とウォークインクローゼットの壁紙は1,000/1mの塩化ビニールクロス、床材はコルク、洗面室の床材は塩化ビニールタイル、収納棚板には合板を使用予定です。

 これらの差は、出来上がった物を直に見ると一目瞭然で、やはりお金をかけた意味があると素人目にもわかるのですが、ただ単に「リフォーム」という言葉と、かかる金額だけの話では、なかなか理解されないようです。実際、コマチ家具にお見えになる奥様方の中でも、ご主人を説得しきれずにリフォームを断念される方もいらっしゃいます。

 私も、もうできないかなと思いました。ストレスで起き上がれないくらいの眩暈がした日もありました。
 その時、ここで諦めたら、何も変わらないこの家に死ぬまで住むんだ、あんなに惚れ込んだ家具も、入れられないから諦めなければならない-と思うと、じゃあ何のためにこの家にダンナと住んで、何のために働くのか、と全てが空しくなりました。40代半ばになり、お金の大切さも身に沁みる一方で、人生の残り時間も見えてくる年頃です。「どこで誰とどんな生活を送るのか」ということは、人生そのものだと感じました。

 数度の激突の後、内緒で私の実家に1人で相談に行ったダンナは、家具の図面職人だった私の祖父の図面集を父に見せられ、血は争えないと諦めたようです。明治時代、西洋家具図面製作の第一人者だった祖父は、皇室関係の内装プロジェクトのメンバーだったとか。その才能を、残念ながら私は欠片も引き継ぎませんでしたが、どうしてもこれが好き、という好みだけは祖父譲りのようです。改めて祖父の遺した図面集を見ると、今こんな家具があったら欲しいなと思う物ばかり。

 揉めたおかげで、すごく沢山のことを考えましたし、自分のルーツも再認識できました。

2012年6月3日日曜日

田野口淳子さん

 疑問が堂々めぐりの日々の中、ある日私は気づきました。大変たいへん失礼ながら、施工事例で生まれ変わったおうち達の、施工前の写真は我が家と大差ないことを。・・・ということは、このおうち達にお住まいの方々が、自分で家具を選んだり、壁紙を決めたりしたわけではないんだろうと。自力でこれが作れるのなら、施工前でももう少しステキにできたのでは?と。(あ-ん、ごめんなさいっ!! 皆様!)


 そうか、この特集号に出ている、田野口淳子さんという人が、きっと作ってくれるんだ!!
1人で考えていたって何も変わらない、やっぱり1度、お話を聞いてみよ!


 しかし、見れば見るほどステキなおうち達、これはきっと、1回や2回の打合せで出来上がる物ではないはず。完成して雑誌に紹介された方々の他に、きっとこれを目指してがんばっている途中の人もたくさんいるはずだから、お忙しそう。アポなしでふらっとお店に行っても淳子さんに会えるかどうかわかりません。お店に電話してみたところ、夕方戻られるとのことで、お約束が取れました。

 リビングの一角が空いており、とりあえず1つめの家具をそこに置きたいと思っていたので、壁の幅と梁までの高さを測ったのですが、やっぱり図面があった方がいいんだろうな、写真も撮った方がいいかな、とバタバタと準備して、約束の時間にお訪ねしました。

 家を買った直後で、手持ち資金はないけど、1つずつでも揃えていきたい、ネコ脚が好き、いつになるかわからないけど、LDが整ったら寝室も・・・等と、とりとめもなく話したと思います。梁の下に入る、小さいミラーバックサイドボードが欲しい!とお願いしたのですが、その時はサイズの合うのがなく、淳子さんお勧めの私のファーストアンティークは、今でもお気に入りのシノワズリのマホガニーキャビネット。素人では選べない、通好みの一品です。翌週末、配送していただいて、天板に載せるランプと一緒に、リビングの一角に置いたところ、そこだけ別世界。ステキ!・・・でもその一角だけ。

 キャビネット前にある組立ダイニングセットとのギャップに耐えられず、翌週またコマチ家具へ行き、ダイニングセットを購入。

 淳子さんのお勧めは、とにかく間違いがないのです。これは買っておきなさいと勧められた物は、経済的に厳しい時も多々ありましたが、がんばっておいて良かったと思う物ばかりで、こんなの要らなかったと思う物は1つもありません。

 リビングが全然整っていない段階で、マホガニーのベッドヘッドボードが入荷して勧められ、まだベッドなんて全然先のつもりだったのに、「ツインのマホガニーのベッドヘッドなんて、この先いつ入ってくるかわからない」とのことで、半信半疑で買ったのですが、これは本当に買っといて良かった!! あれから5年経ちますが、我が家のベッドヘッドを超えるツインなんて、1度も見たことがありません。

 この5年間、淳子さんとお付合いさせていただいて思うことは、「この人、天才だ」ということと、「とにかく、忙しい」ということです。自分がステキなおうちに住みたかったのよ、それが仕事になっちゃっただけ、といつも淳子さんは笑うのですが、確かに見ていると、好きじゃなければこんな手間暇かかること、できないですね。家具のコーディネートや壁紙を選ぶ等ということは、天才の淳子さんにとって文字通り朝飯前のようですが(普通の人はそれすらできないと思います)、リフォームまでするとなると、それに付随する作業の何と膨大なこと!ステンドガラス1枚、壁紙1部屋、カーテン1窓でも、選んだ後、デザインを考えて必要量を算出し見積りを取ってから発注する、発注番号を1ケタ間違えただけでも全く違う物ができてしまいますし、お金に直結ですから、常に真剣勝負です。

 1つの提案の裏には、過去事例の参照と応用、試行錯誤、様々なシミュレーションがあり、その長い過程を全て省いて、結論=これしかない、という提案がずばり出てくるのですが、初めのうちはこちらのレベルが低くすぎてよく理解できず、え、これ?もっと他の物があるんじゃないかしらなんて、素人の浅はかさで半信半疑だったこともありましたが、時間が経つにつれて、やっぱりこれが最良だったのだと実感したことが何度もありました。よくわからなくても淳子さんの提案なら、と信じてきたことが、結果として我が家の完成度を大幅にアップさせたのだと、今になって再認識しております。

 淳子さんがよく、「お客様が私のスイッチを入れてくれる」と言うのですが、本気でステキなおうちに住みたいと願う気持ちが通じて信頼が生まれた時、淳子さんの本気モードのスイッチが入り、「自分の家のように真剣に考えられる」そうです。もし私に同じ能力があったとして、私は自分の家のことは真剣に考えると思いますが、同じ熱意で他人のおうちのプランニングができるだろうかと考えると、恐らく無理だと思うのです。
本気でステキなおうちに住みたいかどうかは、自分で決めることだと思います。人に見せるための物ではないですから、どこまでやったら自分が満足するのか、物差しは自分の中にしかありません。

 コマチ家具のHPを見ながら、ステキね、こんなおうちにしたいわ、と思っていらっしゃる皆様は、本気でそうしたいのかどうかもう一度よくお考えになって、やっぱりこれをやらずには死ねない(・・と私は思いました())と思われましたら、お早めに淳子さんへご相談をお薦めいたします。

 一度に家具を揃え全面リフォームしなくたって良いのです。家具のコーディネートだけでも、相当のレベルまで達します。ゴールは遠いけど、必ず到達するという強い意志の下、1つずつ家具を揃えるところから始める場合でも、本気と信頼が通じれば、淳子さんは応援してくれます。

 ただし、これをやらずには死ねないという病気の方は、私の他にも大勢いらっしゃいまして、淳子さんもかなり多忙な日々ですので、カギは本気と決断力です。今年は、我が家の後、すでに2,3件のリフォームが決まっているようです。何しろほとんど全てが手作りに近いため、全面リフォームとなりますと年に数件しか受けられないそうです。皆様のご幸運をお祈りします。